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About.

よくもまぁ、一曲のヒットもなく45年もやって来たものだ。

 

砂埃の道端、地吹雪の大地、寂れた漁村、泣きそうな夕日、

喧噪する街、迷路の路地裏、雨にギターをかばい、

風に背中を蹴られ、されどそこに待ち人有り、

忘れ得ぬ笑み、約束の握手、そして誰もいない帰り道...

生きるから唄が生まれる。唄が生まれるから、また活かされる。

若者なのか老人なのか、そんなことはどうでもいい。

健康な奴でも有名な奴でも、いつかは終わりが来る。

始まりがあるから終わるのか、終わりが来たからまた始まるのか、

最後の最後に「ラストソング」を歌えばいい。

私の唄を古いとは誰も言わない。もちろん新しくもない。

キラキラとした輝きはないが、哀れなほど誠実だ。

正義を唱える根性はなく、悪を叱る勇気もない。

滑稽なほど無様だが、それを唄にしてしまう。

当然、売れる訳もなく...。

おもしろいほど無名だか、秘かに本気である。

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